アメリカの美容師は日本の美容師と比較してどうなの?と疑問に思ったことはありませんか?
アメリカでは日本に比べて給料が高く、週3~4日のシフトで働くことができます。またアメリカでは英語が通じても文化の違いなどによって日本の当たり前が通じないことが多々あります。
この記事では、アメリカの美容師の給料体系、アメリカの美容師文化などについて詳しく解説しています。
アメリカの美容師になるには?
アメリカで美容師免許(コスメトロジーライセンス)を取得するのための条件は各州によって違いますが、そのライセンス取得から実際にアメリカ(ここではカリフォルニア州に関して)で美容師として就労するまでの手順をご紹介していきたいと思います。
美容師免許(コスメトロジーライセンス)を取るには?
コスメトロジーライセンスとはアメリカでヘア、ネイル、エステ、メイクアップのサービスが提供できるスタイリストのための資格です。
日本でいう美容師免許に近いライセンスですが、ヘア以外にもネイルやエステ、メイクアップなど人に触れる美容サービス全体を提供できる州資格です。
働くためのビザ(就労ビザ)を取る!
アメリカには、ワーキングホリデーという制度がないので、働くためのビザを取る必要があります。就労ビザを取る方法としては、美容室でサポートしてもらうことでも取得が可能ですが、そういうお店が簡単に見つかるという保証はありません。
美容室で働くには、まずカリフォルニア州のコスメトロジーライセンスを持っていることが一番の条件になります。
美容学生としてアメリカにいる方(F1ビザ&M1ビザ)
基本的に、学生ビザでは働くことを許可されていないので、OPT制度を利用して、ビザをサポートしてくれる美容室を探すことになります。
美容室によっては、このOPT制度を悪用して、1年だけインターンとしてかなり安い給料か無給で働かせて、結局はビザのサポートをしてくれなかったりするところもあるので早い段階からどこのサロンが信用性があるのかチェックしていきましょう。
既に日本の美容免許を持っている方(Oビザ)
特に免許をお持ちで、美容経験のある方の中には雑誌のお仕事などエンターテイメント系のお仕事経験をお持ちの方もいるかと思います。そういう経歴(クレジット)をお持ちの方は、渡米前にアーティストビザというものを取得することも可能ですので、移民弁護士を通すか、英語に自信のある方は、ご自身で申請をすることもできます。
そうなると、お店からのサポートというのが要らないので、美容室を選ぶ選択肢がたくさん広がります。特に日系ではない美容室で働きたい方には有利です。
アメリカの美容師に関するビザについてはこちらの記事を参照ください。
アメリカの美容師の実態
日本との違いを見ながら、雇用体系、給料、休暇の3項目について解説します。
アメリカ美容師の雇用体系
アメリカの美容師と日本の美容師の雇用体系は大きく異なります。
日本:社員として雇い固定給といったチーム型体系
アメリカ:美容室が椅子を家賃として借し出す完全歩合制
アメリカの求人では「ブースレント(椅子貸し)週/$300」というようなものをよく目にします。アシスタントも、日本のお店は雇って育てていく体制がどこのサロンもで主流ですが、比較的アメリカでは個人任せが多いようです。
アメリカ系のお店では、スタイリスト個人でアシスタントを雇うという方が多く、お店が終わったらみんな帰るというのが当たり前なので、練習して残るとか教えてもらうことは稀です。
アメリカ美容師の給料
アメリカの美容師と日本の美容師の給料の支払いが少し異なります。
日本:月に1回の給料日、固定給
アメリカ:月に2回の給料日、歩合制
日本の固定給もしくは歩合制に比べて、アメリカは時給や時給+一部歩合制、完全歩合(売り上げの4割支払いが多いが交渉可能)、家賃制とさまざまな交渉が可能です。
アメリカの美容師は年収はいくらなのか?
salary.comによると、2018年のカリフォルニアの美容師の平均年収が約$30,000(約340万程度)です。あくまでこれは平均で、美容師によって差が激しいのが現状です。
アメリカは美容室によって給料も変わる
日本のような千円カットのような安売りのお店もあれば、高級サロンの並ぶビバリーヒルズまで、美容室の場所、形態によってカットサービスの金額は異なります。
ロサンゼルスの平均:$69(安いお店は$15程度)
日経の美容室:平均$50
高級サロン:平均$200($500とか$800取るような美容師もいます)
年収の平均が$30,000なので月給にすると約$2,500、今のロサンゼルスの物価や家賃(現在ワンベットルームの平均$2,000)を考えると、十分なお給料とは言えません。美容学校の学費のローンを返すのに精一杯という方は少なからずいます。
高級サロンでは1日で数十万稼ぐ人も?
一般的な美容サロンとは反対に、高級サロンでは1日で数十万から稼ぐ人や、中には数百万稼ぐ人もいます。特にカラーリストはスタイリスト(カットとスタイリングのみ)より稼げる傾向があります。
1日に$450のお客さんを40人こなしているような有名なカラーリストもいます。また同じ美容室では$2,400/日+チップを稼ぐようなスタイリストも存在するので美容サロンによっては1日で誰かの月給稼げるようなこともありえます。
そんなチャンスがあるのはアメリカならではということができます。
アメリカでは個人美容室を持つこともできる
今アメリカでは個室美容室がとても増えています。大手3社で箱貸しのような、小、中サイズの部屋が、30~40ほど集まっている場所でプライベートサロンとして個人でお店を持つことができます。以下のような利点があります。
・椅子、シャンプー台、タオルの供給がある
・部屋のペイントやインテリアが好きにできる
・個室なので高級感とプライベート感が保たれる
・歩合制で6割サロンに取られない
このプライベートサロンを利用してロサンゼルスにお店を出している日本人美容師も少なくありません。
アメリカの美容師はどれぐらい休みがあるの?
日本に比べてアメリカの美容師の休みは多い傾向にあります。
日本:月に6回しか休みが取れない
アメリカ:週に3、4日しか働かなくてよい
特に中級、上級エリアの美容サロンでは。1~3日で家賃分稼げたら、何も無理して週に6日も働く必要ありません。日本は火曜日休みの美容室が多いですが、ロサンゼルスの美容室は、日曜日、月曜日休みのお店が多いです。
アメリカの美容師に求められること
アメリカの美容師に求められることと、日本の美容師に求められることは大きく異なります。
アメリカの美容師では自身、デザイン力が求められる
アメリカでは自信を持ってデザインを提供できる力が求められます。デザイン提案を求めるお客さんが多く、例えば、「今日はストレートヘアがいいって思ったけど、あなたはどう思う?」など意見を求めてきます。
そういうお客さんに対して、「そうだなぁ、どうだろう」「うーん、いいんじゃない」だけだと、自信なさげに聞こえてしまいます。日本人によくありがちなのは提案ができずに気まずくて笑ってごまかしてしまうことで、そのような言動はアメリカ人の目にはよく映りません。
どのような言動がアメリカ人に好まれるか?
きっと「今日のパーティーに着ていくドレスはシンプルでシャープな感じだから、髪型もスリークに決めたらいいと思う」とか具体に言える事や、
反対意見でも気を害させずに「ストレートヘアで全体をシンプル&クールに決めるのもいいし、逆にドレスがシンプルだから髪は少しカールでボリュームをもたせて顔わまりに花を持たせるのもいいかも」となど、具体的な提案ができる人がお客さんから信頼される傾向にあります。
日本人はアシスタント寄り
「日本人はアシスタントにぴったりだ。よく働くし、礼儀正しいし、シャンプーうまいし、綺麗好きだし、言われたこと以上に仕事をきちんとするから。」という印象を抱かれる傾向にあります。
それも大事なことだとは思うのですが、1日何十万も、何百万も稼ぐような美容師さんにはそれ以上に惹きつける要素があります。遠慮と恥じらいの深さは、自信のなさとして見られてしまいます。
語学力がやはりかなり大事
自信を持って自分を伝えるには、語学力はかなり重要です。なかには、語学力が低くても、伝わって当たり前くらいの態度で臨んでいる日本人美容師さんもいます。そういう人にはお客さんがついている印象にあります。
下手な英語でも、自信の強さで言葉の壁を乗り越えられることもできます。英語力を上げて自分の英語に自信を持つタイプか、下手な英語でも気持ちがあれば通じるという自信を持てるタイプかのどちらかになる必要があります。美容師の英会話について詳しく知りたい方はこちらの記事を参照ください。
まとめ
アメリカで美容師にこうなる、美容師はこうだ、こう求められる、と書いてきました。もちろん言葉も違う知らない土地で始めることですから、簡単な道ではありません。かといってあきらめたり、回り道して時間を無駄にしないよう、良い選択をして目標達成に向かっていただけたらと思います。
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